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iPhoneとブラックの歴史

Yohei

Apple

いよいよ発売されるiPhone 7ですが、新色ジェットブラックの人気が凄いのか、Apple Storeでも11月の発送予定になってしまっています。


ジェットブラックも良いのですが個人的にはブラックが非常に気になっています。実はよく見ると非常に「濃い」ブラックになっています。


iPhoneとブラック


この「ブラック」というカラーはiPhoneにとってずっと鬼門でありました。


iPhoneとブラックの歴史を紐解いていくと、iPhone 3Gで初めてブラックの筐体カラーが出ました。このときはまさに漆黒のブラックだったのですが、素材はプラスティックにハードコーティングを施したものでした。


iphone3g.jpg



その後、iPhone 3GSを経て、iPhone 4が発売されました。iPhone 4はガラスの背面を採用し、これまた漆黒のブラックを実現していました。


アルミは使っていれば傷つくし、アルミの地金が出てくるのは普通だよ。


そしてiPhone 5が発売されます。このiPhone 5はより薄型、軽量化を進めるために背面はアルミニウム素材となりました。


このアルミニウム素材というのは、プラスティックと違ってアルミニウム自体に着色することができず、表面にカラーを乗せるしかありません。塗装ではすぐに剥がれてしまうので、アルマイト(陽極酸化処理)という化学変化を利用した着色でブラックを実現しました。


iphone5.jpg



しかし、アルミニウムはやわらかいため、傷が入るとすぐに中からアルミニウムの地金が露出してしまいます。特にブラックでは傷が非常に目立ちやすく、Appleは色々と指摘を受けたようです。


当時のシニアバイスプレジデント、Philip Schillerの回答は以下の通り。


 Any aluminum product may scratch or chip with use, exposing its natural silver color. That is normal.

 

アルミは使っていれば傷つくし、アルミの地金が出てくるのは普通だよ。


画像を見ていただけると分かるのですが、現在のiPhone 6と比べても非常に深いブラックで発売されました。これほど濃いブラックはちょっとした傷でもよく目立ち、おそらく製造、輸送段階でも傷不良が非常に多く発生したと思われます。


上記の発言とは裏腹に、Appleとしては大きなトラウマを抱えたのではないでしょうか。これ以降、Appleはブラックカラーの濃度をどんどん落としていくことになります。濃度を落とすことで傷を目立ちにくくしていったと考えています。


そしてiPhone 5のマイナーアップデートモデル、iPhone 5sが発売され、ゴールドカラーの追加で盛り上がりましたが、ブラックについては非常に薄いカラーになり、スペースグレイという名称に変わりました。


iphone5s.jpg


アルミの地金が出てきても目立ちにくくなりましたが、名称通りブラックというにはちょっと苦しく、グレーに近いカラーでした。


もちろんiPhone 6でもブラックはなく、スペースグレイのみとなりました。しかも、iPhone 5sに比べても非常に薄くなってしまいました。


iphone6.jpg


もうこのままブラックは無くなってしまうのか・・・と思っていたときに出てきた製品がApple Watchのスペースグレイです。


applewatch.jpg


iPhone 5ほどの深いブラックではありませんが、明らかにiPhone 6よりは濃くなっています。傷の付きやすい腕時計でこれほどの濃さを実現するということは、アルマイト処理が進歩し、硬度が増している、と思います。


そしていよいよiPhone 7が発表されました。漆黒のジェットブラックの影に隠れていますが、今回は名称も「マットブラック」になり、明らかに濃度の増したブラックが発売されました。


iPhone 5のトラウマを抱えているAppleが満を持して出すブラックですから、アルマイトか、表面加工に格段の進化があったと考えるべきだと思います。私の予想としては、ジェットブラックとブラックにはなんらかのハードコーティングがなされているのではないかと考えています。


もしこのハードコーティングがなされていた場合、アクセサリーメーカーの私たちとしては大きな問題に直面します。それは密着痕と呼んでいる現象で、クリアのTPUケースなどをコーティングの上に密着させると水たまりのようなシミが浮いてくる現象です。


私たちのAegisには、このようなこともあるかと予想して、背面に密着痕の出にくい加工をしています。実際に製品が届いたら改めてレポートいたします。