BLOG - October, 2015

Apple Pencilコネクター新規形状の謎

Yohei

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Appleは今までタッチペンの必要性について疑問を呈し、純正のタッチペンを発売することはありませんでした。

しかし、とうとう11月に発売予定とされているiPad Pro専用ペンとして、Apple Pencilの発売を発表しました。

実際、iPad向けのアクセサリーとしてもタッチペンの需要は根強く、当社のタッチペン、「Grip Touch pen」も異例のロングセラーを続けており、よりプロ用途向けの販売が大きいと思われるiPad Proに合わせてきたのはうなずける話です。

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スムーズに書いている動画を見ていると、ワコムのペンタブタブレットにも対抗できそうなレスポンスに見えますし、チーフデザイナーのジョナサン・アイブも大きく関わっているのであれば、ドローイングとしてちゃんと使えるレベルで出してくると考えられ、発売が非常に楽しみです。


ところで、このApple Pencilは、ペン先にスプリングダンパーを付けて、筆圧を再現するようです。そういったセンサーや通信のためにバッテリーを内蔵しています。

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このバッテリーへの充電方法が非常にユニークで、ペン側にLightningの端子が付いています。

今までのAppleデバイスであれば、デバイス側にはLightningの受け口が搭載されて、USBチャージャーなどからLightingケーブルを介して充電するのが一般的です。Lightningの受け口からデバイス側に供給される電流量は微弱なため、Apple Pencilのバッテリーも非常に小さいものと予想され、頻繁に電源供給することを想定していると考えられます。

iPad Proを外で使うことを考えたときに、ケーブルを常に持ち歩かせるのでは大変なので、Apple Pencil側にLightning端子を付けたのではないでしょうか。


そして、この位置にLightning端子を付けたことで、一つ大きな問題が発生します。

それは、充電時にiPad ProからApple Pencilが垂直につきだしてしまう、と言う問題です。

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場所を大きく取ってしまうのはその通りですが、15秒の充電で30分使えると言うことなので、それほど問題にはならないでしょうが、重量バランスとして非常にLightnning端子に負荷が掛かります。テコの原理で言う、支点 力点 作用点があり、抜き方を間違えただけで簡単に折れてしまう危険性があります。


そこで、AppleはApple Pencilのコネクター端子を、今までとはちがう、新しい形状でリリースするようです。

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画像を見る限り、コネクターの根元がスロープしています。

従来、この部分は直角になっており、コネクターはプラスティックの板で押さえつけられていました。

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無理な荷重のかかりやすい、コネクターの根元は、おそらくコネクター周りをすべて金属の一体成型にし、スロープ形状とすることで破断への耐性を高めていると思われます。


また、iPad Proをケースに入れるとケースの厚み分、コネクターが刺さらなくなります。

そこで、このスロープ部分が丸ごと外に露出するように出来ています。


さて、この新しい形状ですが、実は当社が発売した、「Lightningストラップ」のコネクターと全く同じ形状になっています。

やはり、Lightningコネクターの薄さのせいで、非常にコネクター先端が割れやすいため、強度を増すためにこのような形状で設計していました。

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さらに、このコネクターでは強度を増すためにいろいろな素材を試しています。


ちなみにApple Pencilを見たからこのような形状にしたのではなく、このコネクター自体は3年前から開発を始めていて、当初からこの形状でした。

意匠権をはじめとして以前から登録済みのため、模倣などでは訴えられないと思います(笑)。


小さく薄いLightningコネクターであるが故の、Appleの強度に対する苦労が伝わってきて、感慨深く眺めていたApple Pencilでした。


Lightning ストラップの開発に苦節3年掛かった理由は、また次のエントリーでご説明したいと思います。

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